矯正治療を受ける際に、是非とも知って頂きたい事
矯正治療は、歯科医師の技量によって、結果に大きな差がついてしまう治療方法です。
矯正治療を受けられるのであれば、かならず矯正認定医・専門医のいる歯医者さんで治療を受けることを強くお勧めいたします。
その理由をこれからお伝えします。
日本では、どんな歯医者さんでも「矯正歯科医」と名乗ることができる制度となっていることを御存知でしたか?
矯正歯科について特別に学んでいない歯医者さんでも、矯正歯科を看板にかかげて診療を始めることができてしまうのです。
矯正歯科治療とは、専門知識、豊富な経験、高度な技術が必要とされる治療です。
特別に訓練を積んでいない歯医者さんが、矯正歯科の看板を掲げ治療を行っていることに、私はある種の懸念を感じます。
情報が溢れている時代だからこそ、正しい知識のもとに正しい選択をする必要があります。そこで、一般の患者さんに、歯科医師の矯正治療のレベルを知ってもらうため、日本矯正歯科学会が次のような資格制度を創設しています。
会費を支払えば誰でもなることができます。
様々な条件を満たして、初めて取得することができます。
当院の矯正担当医は「認定医」の資格を保有しています。
認定医になるためには、次の条件を満たさなければなりません。
・5年以上日本矯正歯科学会の会員であること
・2年以上大学の矯正科で研修した後、指導医の下で3年以上矯正歯科に専従すること
・学会誌に論文を発表し、試験に合格すること
現在、矯正歯科の資格として最も有効だといわれているものが、日本矯正歯科学会の「認定医」と「専門医」です。
是非、歯列矯正治療を希望される場合は、この資格どちらかを保有している歯科医院での治療をお勧めいたします。
矯正治療が必要な歯並びとは?
代表的な歯並びを治療前・治療後でご説明します。
-出っ歯-
皆様が良く知っている歯並びですね。上の前歯が下の歯よりも大きく前に出ている歯並びです。
-開咬-
上の歯と下の歯が咬み合わず、隙間があいている歯並びです。
-受け口-
下の歯が上の歯よりも前に出ている歯並びです。
-叢生-
歯が様々な角度で生えてしまっている歯並びです。
-正中離開-
上の前歯が、お互いに反対を向いてしまっている歯並びです。
次節は歯並びが原因で生じる様々な弊害に関してお話しします。
悪い歯並びは百害あって一利なし!
多くの方は、一度は矯正治療を受けようと考えたことがあるようです。
しかし、実際には「もう少し様子を見よう」、「お金もかかりそうだし、今すぐ不都合があるわけではないからいい」といった理由で、治療を受けないケースが多いようです。
しかし、歯科医師の立場として、こうした判断は非常に大きな不利益を被る可能性もあるということを伝えるようにしています。
代表的なものだけでも下記にあるように様々な弊害が考えられます。
1.歯並びの悪さからくる顔の歪み
2.容姿が周囲に与える印象
3.本人が受ける心理的なコンプレックス
4.早期に歯を失うリスク
5.歯周病リスクの増大
6.むし歯リスクの増大
7.口臭リスクの増大
8.発音障害
矯正歯科治療で人生が変わることがある!
きれいな歯が横一列に並んだ美しい口元を想像してみてください。
均整のとれた美しい口元には、周囲を魅了する不思議な力があります。
これまで多くの方々の矯正治療を通して実感していることは、矯正というのは、単に歯を並べるだけではなく、人の人生を根本から変えてしまうほど大きな力を持っているということです。
「長年のコンプレックスから解放された」
「自分に自信が持てるようになった!」
「人前で大きな口を開けて笑えるようになった!」
歯並びの悪さが周囲に与える印象や本人の受ける心理的なコンプレックスは一生の問題となります。矯正治療前には、矯正器具の見た目や矯正にかかる費用に不安を抱く方も多いようですが、実際に矯正治療を受けられた方の感想文に目を通してみると、“長い人生の中で、数十万円の費用と、1~2年程度の治療期間を経ることで、これまでの悩みが解消されることは、自分の人生をより豊かに過ごすための投資としては十分に許容できる範囲“だと感じているようです。
当院の矯正担当医
◆経歴
日本矯正歯科学会矯正認定医
東京矯正歯科学会会員
日本顎関節学会会員
日本歯科大学歯学部卒
日本歯科大学大学院修了 歯学博士
当院では、今村直人先生が矯正治療を担当致します。
以下、担当医にお話を伺ってきました
・矯正治療のこだわりは何でしょうか?
最新の矯正治療を積極的に勉強し取り入れることです。
一般的な装置を使う矯正治療は当然ですが、インプラントを活用した矯正治療やデーモンシステム、アソアライナーと呼ばれるマウスピース矯正、歯の裏側に矯正装置を付ける舌側矯正などを、患者様のご要望、そしてお口の状態に合わせてご提案しています。
インプラントを利用した矯正治療とは、以前までは動かすことが出来なかった方向に歯を動かすことができ、非抜歯矯正や短期間治療に貢献しています。また、デーモンシステムは、非抜歯矯正や短期間治療、高齢の方の矯正、そして歯周病の傾向がある人に効果を発揮しています。そして舌側(裏側)矯正、アソアライナーなどは、見た目に重点を置いた矯正装置で、特に若い女性の方に評判が良いですね。
最近では、お口に関しての関心が高まっており、その分患者様からのご要望も多様化しています。そのご要望に最大限応えられるよう、日々精進の毎日です(笑)
・子供の矯正に関してどのようにお考えですか?
子供の時の治療(Ⅰ期治療といいます)でしっかり基礎ができていれば、その後の治療(Ⅱ治療と言います)で、より良い状態を作りやすくなります。お子様の歯並びに不安を感じましたら、是非相談だけでも受けて頂く事をお勧めいたします。
・最後にメッセージをお願いします。
矯正治療は子供の時におこなうイメージが強いですが、大人の方でも問題なくできます。最近は歯並びの美しさを求めて20代~40代の女性の患者様も多く来られますし、歯並びや咬み合せが悪いことで引き起こされる悪影響に気付かれ来院する方も増えてきました。
これは矯正に携わる人間として非常にうれしい傾向です。
また、矯正に関しての技術革新は目を見張るものがあります。
先ほども述べました「インプラントを利用した矯正治療」「デーモンシステム」「歯の裏側に付ける装置」「マウスピース矯正」などです。これらを活用することで、これまでは患者様に我慢して頂いていたことも、我慢して頂かなくてもよくなることが増えてきています。例えば、「長い治療期間はつらい」「痛い」「目立つ装置がはずかしい」「歯を抜きたくなかったのに・・・」などですね。
このように、皆さんの歯に対しての意識が高まると共に、矯正治療も皆さんのご要望に応えられるよう日々進歩しています。患者様のご要望に合わせた様々な治療法がありますので、矯正を考えられている場合は、
まずはお気軽にご相談ください。
あなたに最適な治療法をご提案いたします。
矯正治療の流れ
お悩みやご希望をお聞きします。
精密検査の結果をもとに、矯正治療全般に関して詳しくご説明をいたします。
少しでも疑問点がございましたら、再度ご説明し納得いただいたうえで、治療を開始するかどうかのお返事をいただきます。
※もちろん、この段階で治療を受けないという選択をしていただいても全く構いません。
治療開始にあたり、やまもと矯正歯科の歯科衛生士によるブラッシング指導を行います。
その後、歯に装置をつけ、歯に力を加え始めます。
矯正治療のために通院して頂きます。
矯正装置を外します。但し、そのまま外しただけですと後戻りという現象を起こすため、保定装置(取り外し可能な装置)を装着して頂きます。
※保定装置は症例にもよりますが、1~3年主治医の指示に従って使用して頂きます。使用しないと後戻り(歯並びが悪い状態に戻ること)を起こし、再度矯正をする必要が出てきます。
保定装置の使用を確認後、当院のメインテナンスを定期的に受診して頂き、保定装置を終了する時期まで、経過を観察していきます。
矯正治療の間は、非常に虫歯になりやすい環境にあります。矯正器具のすきまに食べ物が詰まりやすくなるためです。矯正治療が終了したものの、今度は虫歯治療に通うとなっては本末転倒ですので、当院では矯正治療の途中から予防プログラムへ参加して頂くようにしています。
歯並びの悪いお子さんをお持ちの方へ~矯正治療は親が子供にしてあげられる最高のプレゼント~
アメリカでは、歯並びの悪い子供を幼少期のうちに矯正治療してあげるのは親の責任だと考えられています。それだけ、その後の人生におけるデメリットが十分に理解されているのです。社会に対して、女性の立場から情報発信をしているスージー・ウェルチ氏は次のような言葉を残しています。
「あなた自身の決定が、10分後、10か月後、10年後にどうなっているか想像してみなさい。(By Suzy Welch)」
歯並びの悪いお子さんを連れて来院されるお母さんを見ていると、矯正治療は親が子供にしてあげられる最高のギフトだと感じることがあります。
子供の将来を見据え、10年後に「ありがとう」といってもらえる選択をしてあげることが子供の人生を豊かにすることにつながります。
“矯正治療というと、相談するだけで敷居が高そう”と感じている方も多いようですが、まずはお気軽にご相談ください。
矯正歯科Q&A
当院に電話またはメールでご連絡いただき、矯正治療相談の予約が取りたいという旨を伝えて下さい。相談時間は1時間程度の時間が必要となります。
初回のみ無料となっています。
矯正治療の期間は、開始年齢や歯並びの状態で大きく異なりますので、ここでお答えはできません。初診相談で、大まかな治療期間についてお伝えいたしますが、実際には検査をして治療計画を決定しないと、詳しくはお答えできないことが多いです。矯正治療をしている人に聞いたりするのではなく、当院に直接伺っていただき、相談の上、確認を御願い致します。
一般的に固定式矯正装置を付けている時は、月に1回の間隔が多いです。矯正装置を付けていない状態で、歯の生え変わりを待っているときは3ヵ月~6ヵ月の間隔で、検診を受けます。矯正治療が終わり、リテーナー(保定装置)を使用する保定期間では、4カ月~6ヵ月の間隔です。
歯や歯茎が健康であれば年齢は関係なく、何歳でも治療はできます。しかし歯の本数が少ない、インプラントがある(矯正用インプラントを除く)、歯周病であるなど年齢以外のことで、矯正治療が難しくなってしまう場合もあります。
矯正の前に歯の検査をします。そこで虫歯や歯周病が発見された場合は、先に必要な治療をすませてから矯正治療を行ないます。
矯正治療は、痛みを伴うことが通常です。痛みには、2種類あります。
1つ目は、歯が移動する際に炎症反応が起こり、歯が痛くなると考えられています。具体的には、上下の歯を当てると痛い、強く噛むと痛い、食いしばると痛いという感じが1日~5日間程度続きますが、普通は2日ぐらいで痛みが消失します。また、ワイヤーを交換し、歯を動かす力が強くなると再び痛みを感じるようになります。この痛みは、矯正装置が進歩発展し、歯に加わる力が弱くなったため、従来の矯正治療と比較すると軽くなりました。中には全く痛みを感じない人もいますし、非常に痛がる方もいます。個人差が大きいので、1日~3日間程度と説明しています。
2つ目は、装置をつけて慣れないうちには、唇や頬の内側の粘膜に当たり痛みを感じることがあります。しかし、自然に粘膜が慣れていくので、口内炎や傷はすぐに出来にくくなります。
この場合は口内炎ができたり、粘膜に傷が付き出血したりすることもあります。
応急処置として、装置が当たる部分にワックスという粘土のようなもので、装置を覆い、装置が粘膜に当たるのを防ぐ方法があります。また、装置を削ったり、ワイヤーにカバーをしたりすることで対応していきます。
あります。
歯に付ける四角形の装置がセラミック素材のものでしたら、歯と同じ色ですので、目立ちません。また、舌側(裏側)矯正と言って、歯の裏側に装着する矯正装置もあります。
目立たない装置を選択した場合は、矯正料金が変わってくる場合があります。
事前に料金体系を必ず確認するようにしてください。
歯とあごの大きさの不調和が著しい場合は、抜歯が必要となりますが、乳歯から永久歯にかわる頃や、あごの成長が旺盛な時期に治療を開始すれば、歯を抜かずに治療する可能性も高くなります。
矯正装置によっても多少の違いはありますが、普通の食事であれば問題はありません。しかし、装置をつけているので、歯みがきには工夫がいります。みがき方の指導をいたしますのでご安心下さい。